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月別アーカイブ 2026年7月15日

インボイス制度とは何か|仕組みの大枠や事業者への影響についてわかりやすく解説

インボイスに関して、取引先から「登録しているか」と聞かれたり、請求書の書き方を変えるよう求められたりして、戸惑った方も多いのではないでしょうか。
「消費税やインボイスの制度についてよくわかっていない」という方に向けて、この記事では大枠が掴めるよう、わかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてください。

インボイスとは所定の形式を備えた請求書のこと

消費税は商品やサービスを購入した消費者が負担するものですが、実際に納付をするのは事業者です。その際事業者は、売上に含まれた消費税から仕入れや経費に含まれる消費税を差し引いた金額を納めます。

この差し引く処理を「仕入税額控除」といいます。

ただ、この仕入税額控除を行うには、原則としてインボイスの保存が欠かせません。このルールがインボイス制度(適格請求書等保存方式)として、2023年10月に導入されたのです。

そしてインボイスとは「売り手が買い手に対して、適用税率や消費税額などを正確に伝えるための請求書」であり、定められた一定の情報が明記されていなければなりません。
インボイスのない(請求書がインボイスとしての形式を持たない場合も含む)仕入れや経費については、一定の経過措置や例外的な取引を除き、仕入税額控除を受けることができません。

インボイスに記載しなければならない項目

インボイスとして成立するには、以下の事項が記載されていなければなりません。

  • 事業者の名称(または氏名)および登録番号
  • 取引があった年月日
  • 取引の内容(軽減税率の対象についてはその旨も)
  • 税率別で合計した対価の額や適用税率
  • 税率別の消費税の額
  • 書類の交付を受ける事業者の名称(または氏名)

※小売業・タクシー業など不特定多数への販売を行う事業では、宛名の記載などを省略した「簡易インボイス」を交付することも認められている。

「登録番号」とは、税務署長の登録を受けた事業者だけに付与される番号のことです。つまり、この登録なしにインボイスを発行することはできません。

インボイスの発行に必要な登録について

インボイスの発行を行うには、事前に税務署長に対し「インボイス発行事業者」としての登録申請を行わなければなりません。

その手続き後、登録を受けると税務署から登録番号が通知されます。その番号を請求書に記載することで、取引先が仕入税額控除を適用できるようになります。

登録するかどうかは事業者の任意です。ただし、登録することで消費税の課税事業者となり、申告および納付の義務が生じます。これまで消費税が免除されてきた事業者(課税売上高1,000万円以下など)も、登録後は消費税の申告が必要になることを覚えておきましょう。

また、免税事業者が登録すると、登録日から2年を経過する日が属する課税期間の末日までは、原則として免税の状態へと戻すことはできません。この点にもご注意ください。

課税事業者と免税事業者で変わる対応

同制度への対応や影響に関しては、課税・免税の違いによって次のように異なります。

課税事業者免税事業者
インボイスの発行登録すれば発行できる登録しない限り発行できない
取引先への影響原則として影響なし取引先が仕入税額控除を受けられない可能性がある
登録後の変化消費税の申告・納付義務については変わらない新たに課税事業者となり、消費税の負担が発生する

免税事業者が登録をしないままでいると、取引先は原則としてその取引について仕入税額控除を受けられなくなります。

そのため自身に直接的な影響はなくても、結果として、取引先から価格の見直しを求められたり取引終了を求められたりする可能性は出てきてしまいます。

一方で、売上先が消費者のケース・免税事業者のケースなどでは、相手方がインボイスを必要としないため、取引への実害も生じにくいでしょう。

登録の要否は、取引先の状況も確認しながら判断することが大切です。

負担を和らげる経過措置や特例もチェック

制度への急激な移行に配慮し、複数の経過措置と特例が設けられています。

一つに、免税事業者からの仕入れで「インボイスがなくても一定の割合で仕入税額控除ができる」という経過措置が設けられています。
※制度開始後8年間にわたって段階的に控除割合が引き下げられ、令和13年10月1日以降は控除が受けられなくなる予定。

また、免税されていた事業者が新たに登録をした場合、「納税額を売上に係る消費税の2割に抑える」という特例もあります。
※令和8年9月30日の属する課税期間まで適用可能。

さらに、課税売上高5,000万円以下なら「実際の仕入金額に関係なく業種ごとの一定の割合で消費税を計算できる」という制度の選択も可能となっています。
※事前の届出が必要。

税理士に確認してもらいながら、どの仕組みが利用できるのか、どう対応すると良いのか慎重に判断を進めましょう。